どーも、トビタテ4期生のT.T.です。
「トビタテの倍率って実際どれくらい?」「コース別だとどこが通りやすいの?」という人向けに、トビタテ留学JAPAN 大学生コースの全期(1期〜直近期)の倍率推移をまとめました。
結論を先に言うと、大学生コースの倍率は概ね 3〜6 倍。第2ステージ(15期〜)以降は採用枠が減ったぶん厳しくなっていますが、コースの選び方と計画書の作り込みで充分に勝負できます。この記事では長期の倍率推移、コース別の選考結果、データから見える合格戦略までを順番に整理します。最新の応募数・採用数は文部科学省 トビタテ!留学JAPAN 公式サイトでも必ず確認してください。
トビタテ全期(1期〜直近期)の倍率推移

トビタテ1期から直近期までの応募者数と合格者数、倍率を表とグラフにまとめました。応募者数(青)と合格者数(橙)が左縦軸の棒グラフ、倍率(赤)が右縦軸の折れ線グラフです。

期別の倍率グラフ

全体的に奇数期(1期、3期、5期〜)の応募者数が多くなっている傾向にあるのは、留学時期の関係です。奇数期は8月〜3月、偶数期は4月〜10月が留学期間で、海外の大学は一般的に9月から新学期が始まるので、それに合わせると奇数期がベストになります。
コロナ禍の影響もあって12期や14期は応募者数がガタッと減り、倍率2.2倍と過去最低になりました。一方で15期や16期は応募者数が元の水準まで戻り、合格者数が圧倒的に減少したことにより、倍率が1期以来の5倍超えに跳ね上がっています。
次回(最新期)の倍率予想
第2ステージ以降は奇数期・偶数期ともに採用予定人数が250名前後で固定される傾向です。応募者数が15期〜16期の水準を維持するなら、倍率は概ね 4〜6 倍のレンジに収まる可能性が高いです。最新期の応募者数・合格者数は公式サイトで公表されるので、本格的に対策する人は最新値で確認してください。
とはいえ、倍率が高くても低くても準備としてやることは変わりません。しっかり準備をして受験に臨むために、まずはトビタテがどういう人材を求めているかを押さえるところからです。15期から第2ステージが開始し、それに伴って募集コースなども変わっているので、次にそちらを紹介します。
トビタテ第2ステージ(15期〜)でコースが再編

2013年度から始まったトビタテは、留学生数が徐々に増加していたものの、新型コロナウイルスの影響で2020年度は前年度比98%減まで落ち込みました。そこで、コロナ禍で落ち込んだ留学数を2027年度までにコロナ前の水準に回復させることを目指し、2023年度〜2027年度を「第2ステージ」として始動しています。これに伴ってコース分けが変更されました。
第1ステージと第2ステージのコース対応
| 第1ステージ(〜14期) | 第2ステージ(15期〜) | 対応関係 |
|---|---|---|
| 理系、複合・融合系人材コース (未来テクノロジー人材枠 含む) | STEAMコース | ほぼ同じ系統 |
| 多様性人材コース | ダイバーシティコース | ほぼ同じ系統 |
| 新興国コース 世界トップレベル大学等コース | 廃止 | 受け皿が他コースに分散 |
| (無し) | イノベーターコース | 新設 |
新設のイノベーターコースは、募集要項で「新たな価値を創造しようとする(ゼロをイチにするような)挑戦的な留学計画」と記載されています。分野を問わずチャレンジ精神あふれる留学計画を求めているということです。次から、各コースの実際の選考結果を見ていきます。
直近期 大学生コースの選考結果(コース別)

イノベーターコース(採用予定50 → 実採用42)
採用予定人数50人に対して実採用42人と、採用枠を若干下回る結果となりました。50人と枠が少ないものの、実採用数が採用枠未満ということで、応募者が一定の選考基準を満たしていない場合は、枠が余っても合格を出さない方針になっていることが見えます。
イノベーターコースは「分野を問わず挑戦的な留学計画」を求めるコースで、相当レベルの高い計画が要求されます。倍率は最も低いものの、採用枠を余らせるほどなのでしっかり計画を練る必要があります。
トビタテHPに掲載されているイノベーターコースの留学例を見ると、「スウェーデンとアメリカで女性の社会進出を学び、多くの女性起業家にインタビューを実施し、フィリピンの売春女性を社会起業で解決するために邁進中」のような内容です。字面でもわかるとおり挑戦的な計画なので、新たな価値創造・挑戦的な部分を強く意識した留学計画にすべきです。
文系の人がダイバーシティコースとどちらにするか迷ったとき、スポーツや芸術などで突出した実績がない場合は、計画をしっかり立ててイノベーターコースに応募する方が倍率だけ見ると入りやすいです。ただし、採用枠を余らせている通り一定の基準は超えないといけないので、手を抜いてもいいわけではありません。逆に言えば、選考基準を満たしていると判断されれば、他の応募者の出来に関係なく合格できます。
イノベーションを起こせる人材であることをアピールするため、新たな価値を創造しようとする姿勢と、課題解決に向けて独自の考えを持って取り組める部分を、留学計画書と面接で前面に出したいところです。
STEAMコース(採用予定100 → 実採用101)
採用予定100人に対して実採用101人と、ほぼ採用枠通り。元々の理系・複合融合系人材コースを応募していた層、つまり理系やIT人材がここに集中します。コース名のSTEAMは Science / Technology / Engineering / Art / Mathematics の頭文字で、これまでの理系人材コースの後継です。倍率は4倍前後で、昔と同じか少し上がっているくらいですが、難易度は確実に上がっています。
僕がトビタッた2016年ごろはディープラーニングという言葉が出始めくらいのタイミングでした。当時もAI系の人材はいたものの、本当に知能トップ層がAIの研究をしていて、他は建築なども結構いて雑多でした。一方で近年はAI / メタバース / 拡張現実 / ブロックチェーン / Web3 / 3Dプリンタ / ロボティクスなど、難易度は高いが今後確実に世界の成長産業になると言われる技術が並んでいます。
特にAI領域は、国も民間もこぞってAIエンジニアを欲しています。そのためAI系エンジニアの合格率は高めだと推測しています。次いで他のIT技術に関する留学。これらの人材は留学させることで将来有望な人材、日本企業が欲しい人材になる可能性が高いからです。STEAMコースを受験するなら、AIや先端技術を学んだり絡めるような留学にするのが現実的な戦略です。
ダイバーシティコース(多様性人材コースの後継)
以前の多様性人材コースのときから、最も人気のコースです。理由は明白で、元々英語が好きで語学留学したいと考えている文系がこぞって集まるコースだったから。そして最も自由度の高いコースだったからです。プロジェクト当初はこのコースがトビタテの花形と言っても過言ではなく、アスリートやアーティストなど、いい意味で変人ばかりのコースでした。
このコースが今も残っているのは、トビタテ留学JAPAN自体が「多様性」を理念として掲げているため、外せないからだと思います。ただし、このコースからは将来の経済的リターンをもたらす人材が現れにくいジレンマもあります。プロジェクトの理念に加え、トビタテ自体の魅力・志望者を増やすためのコースとして存続している側面が強いはずです。
このコースで勝負するなら、圧倒的な実績 × ユニークな内容 × 今後トビタテや支援企業に価値をもたらせる人材であることをアピールするべきです。例えば、YouTubeやSNSで既に大きな影響力を持っていれば、実績もある + トビタテを宣伝してくれそう、と採用しやすい立ち位置になります。
僕の知るダイバーシティコースの学生で、すごく良い計画だと思ったのはパルクール留学です。当時パルクールはまだそこまで有名ではないけど聞いたことはある、なんかすごい、かっこよさそう、というスポーツでした。今世界で流行り始めていることをアピールした上で、日本にはまだコミュニティ・練習環境・指導者が十分でないため、海外で学びたいと伝えていました。
将来YouTubeやSNSを通じてパルクールを発信していきたい、と続けると、数字が取れる + インフルエンサーになる可能性が想像できる。そして「トビタテのダイバーシティコースでしか留学できない」という必然性も伝わります。こういう、面接官が採用させるのに十分な理由・根拠・説得力がある留学が受かるんです。
どんな留学が受かるのか、どうすれば採用してもらいやすく映るのか、そのために何を伝えたら良いのか。ここを徹底的に考えてください。
以前より合格しにくくなっているのか?
今回のデータと仕組みを踏まえて、以前よりも合格するのが難しくなっている気がしています。理由は2つあります。
理由1:世界トップレベル大学コースが廃止された
そこを受験するはずだった人が他のコースに分散するため、ライバルの質が上がると予想できます。どのコースを狙うか・留学計画書をどう書くかの戦略が重要なのはもちろん、受験者のレベルが高い可能性があるので、見えている倍率より合格は大変かもしれません。
理由2:全体の採用枠が減っている
第14期までの全体採用枠は400名でしたが、第15・16期では250名に減少しています。これは予想ですが、トビタテOBの帰国後の結果が運営の期待に届いていないからではないかと思います。
当初は様々な人材を海外に送り込むことで、グローバル人材を育てて、日本の学生レベルを上げて、日本企業にも恩恵がある、という想定だったはずです。だからこそ大手企業に営業をかけて、とんでもない金額の寄付をしてもらえていました。要は投資だったわけです。しかし、それだけ投資したにも関わらず、大して見返りが得られないと感じた企業からの寄付が減っていったんだと思います。
これは憶測ではなく、ここ数年トビタテOB向けのメールでも、就職先や現在働いている企業に関するアンケートが以前より明らかに増えました。トビタテ留学した学生のキャリアがどうなっているかを調査して、寄付してくれた企業に報告したり、次の寄付候補企業への説明資料に使っていると推測しています。日本企業の不振で寄付する余裕がない、という側面もあるかもしれません。
いずれにせよ、枠が少なくなっているのは、トビタテ運営側の意志に反して寄付が集まらないため予算がない、というのが本質だと思います。だからこそ、投資してもらうだけの価値がある留学であると示せる留学計画を作る必要があるんです。
まとめ — 倍率より「投資される計画書」で勝負する
今回、久しぶりにトビタテ!留学JAPANの選考結果を分析してみました。難易度は確実に上がっていますが、考え方次第では受かると思っています。各コースの傾向を捉え、自分の夢が実現できるコースを選び、自分で語れる留学計画書が作れれば合格はぐっと近づきます。これから受験するあなたの参考になれば嬉しいです。
最新の応募者数・採用者数・コース内訳は文部科学省 トビタテ!留学JAPAN 公式サイトで必ず確認してください。期ごとに条件が変わります。

コメント